チャ・スンウォン氏出演『毒戦』公開前のレビュー記事


チャスンウォン 毒戦 ポスター


スンウォン氏出演の映画『毒戦』の公開がいよいよ今週22日となりました。15日に開催されたマスコミ試写会の後、『毒戦』のレビュー記事がいくつか出ていますのでご紹介します。

若干のネタバレを含むものがありますので、ご注意ください。


[web記事][ハン・ヒョンチョンの直球レビュー]完全、疑いの余地がない『毒戦』

2018.5.16 スタートゥデイ

毒戦 リュ・ジュンヨル


”敵になって敵を捕まえる。”いつも見ていた恋人が改めて違って、新たに見える時がある。なじんだようで見慣れていない、しかしそれが決して不快感や否定的な距離感ではなく、改めてもっと魅力的に新鮮に感じたとき、私たちは二度、三度と再び恋に落ちてしまう。映画『毒戦』のようである。

今年上半期の期待作の一つである『毒戦』(監督イ・ヘヨン)が去る15日、マスコミ・配給の試写会を通じてベールを脱いだ。

「ひたすら新しいものを作りたいという考えて、使っていなかった脳の筋肉を使ってみる感じで作った」という監督の言葉のように、映画はこれまで何度も出会って来たありふれた犯罪劇とは違う。要素ごとに一つづつ違う点が集まり、最終的には全く経験してこなかった新しいウェルメイド犯罪劇として完成された。

毒戦 チョ・ジヌン


作品はアジア最大の麻薬組織、実体のない敵を追跡する話を盛り込んだ。疑惑の爆発事故後、長い間麻薬組織を追跡してきた刑事”ウォノ”(チョ・ジヌン)の前に組織の後見人”オ・ヨンオク”(キム・ソンリョン)と捨てられた組織員”ラク”(リュ・ジュンヨル)が現れ、彼らの助けでアジアの麻薬市場の大物”ジン・ハリム”(キム・ジュヒョク)と組織の隠された人物”ブライアン”(チャ・スンウォン)と会うことになるウォノ。その実体に対する決定的な手掛かりを握った彼は、殺伐とした激しい追跡の末に全く想像できなかった真実と向き合うことになる。

麻薬、刑事、黒い組織など、素材はやはり陳腐である。しかし、映画はどこにも陳腐さが感じられなくて、それこそが皮肉である。独特で毒のあるキャラクターたちが予測不可能なストーリーの中に秩序なく、しかしものすごいバランスを守って布陣している。

ウォノ(チョ・ジヌン)を中心に、まるで”道場破り”をするように強力なキャラクターたちが相次いで登場するが、キャラクター間のからみ合った関係は、生々しく異色に描かれている。見所とみなぎる緊張感を同時に感じることができる。

これは制作段階から忠武路(チュンムロ:韓国映画界を指す)で最高のシナリオと絶賛を受けたことはもちろん、俳優たち皆が口をそろえて褒めたほどの優れた完成度を誇る脚本の力である。

どんな相手に会うかによって、様々なカラーを見せる立体的なキャラクターは、それぞれが鮮やかに、必死に生きている。共感を形成するほどの可能性はもちろん、それぞれ盲目的にすがりつく信念によって最後が変わる人物たちについていってみると、誰が誰を殺して生き残るということよりも、彼らがどのような考えと選択をしたかを改めて振り返ってみることになるユニークな体験もすることができる。

スピーディーに展開される話の間で論理がずれず、全体的なバランスは呆れるほど抜群である。人物がどのような選択をし、どのように物事が進んでいくのかについていけば、楽しさと緊張感はもちろん、監督とのコミュニケーションが行われる地点に自然に到達することになる。

俳優の演技力はまたどうなのか。チョ・ジヌンは、麻薬組織を捕まえるためにあらゆることをかけた狂った刑事ウォノに完璧に憑依されて愚直に劇を導いていく。順番に会う毒のあるキャラクターたちに合わせ、さらに過激になっていくとともに、彼らの間でどっしりした中心軸になって全体を合わせる安定感のある内面を発揮している。

麻薬組織から捨てられた後、ウォノの捜査に協力することになるラクに扮したリュ・ジュンヨルは、ただ感嘆を誘う演技で予測不可能な演技スペクトルを証明している。

毒戦 キム・ジュヒョク


ウォノに事件の糸口を提供し、映画の火ぶたを切る組織の後見人オ・ヨンオクを演じたキム・ソンリョンをはじめ、麻薬組織の創設メンバーであり、忠実な役員ドック役のパク・ヘジュン、独自の卓越したカラーをしっかりと見せる、シーンスティーラーのチャ・スンウォン、そしてこれ以上彼の演技を見ることができないということ自体が悲劇である故キム・ジュヒョクの熱演まで、助演は作品の魅力を最強に引き上げて大活躍を繰り広げている。

現実感覚と映画感覚のますます独創的なリズム感で、ジャンル的な面白さを生かして完璧な俳優たちの熱演でクオリティを高めたが、何よりも個性と調和が引き立つ嬉しいウェルメイドの犯罪劇の誕生が嬉しいばかりである。

来たる5月22日公開。15歳以上観覧可、ランニングタイム123分。

(スタートゥデイの記事を翻訳しました)




[web記事]キャラクターの力で余白を満たす毒のあるノワール『毒戦』
2018.5.16 シングルリスト

観客は犯罪劇というジャンルに期待するところが確実である。まさに”面白さ”である。そのような意味で、映画『毒戦』(監督イ・ヘヨン)は確かに観客の期待を満足させてくれるような作品である。

チャスンウォン 毒戦 ポスター チョ・ジヌン リュ・ジュンヨル キム・ソンリョン パク・ヘジュン キム・ジュヒョク


『毒戦』は、アジアを支配する幽霊麻薬組職の実体を探すために繰り広げられる強者たちの戦争を描く。疑惑の爆発事故後、長い間、その組織の頂点”イ先生”を追う刑事ウォノ(チョ・ジヌン)の前に組織の後見人オ・ヨンオク(キム・ソンリョン)と捨てられた組織員ラク(リュ・ジュンヨル)が現れる。彼らの助けで麻薬大物ジン・ハリム(キム・ジュヒョク)と組織の隠された人物のブライアン(チャ・スンウォン)に会うこととなり、その実体に対する決定的な手掛かりを握るようになって、ウォノはついに真実の前に向き合う。

犯罪劇は様々な要素で面白味を作り出す、明瞭でありながらもとても複雑なジャンルである。まず、皆を危険に陥れる大きな事件、そしてその事件の上を飛び回るキャラクターたちの趣、また、それを解決する方法の明快さ。三つがすべて完璧ならば名作だが、このうち一つでも確固たる魅力を抱いていれば、犯罪劇の面白さを保障することができる。

毒戦 キム・ジュヒョク


『毒戦』は上記三つの要素のうち、特にキャラクターの魅力をたっぷり持っている。実際、麻薬組織とそれを追う刑事の話はそれほど特別ではない。映画がこの陳腐な素材を生かすため、予測不可能なキャラクターたちに力を注ぐのは当然のことである。ここでの強調点は、ウォノがブライアンにかける「執着してみると、言葉で説明できないおかしな信念のようなものが生じる」というセリフと映画の英文タイトルである”Believer(信じる人)”である。

映画の視点を率いるウォノは、数年間、麻薬組織のイ先生を追いかけながら、自分の内面に執着に近い信念を積んできたはずである。ストーリーが進行し、観客は彼の信念に共感するが、それ以外の人物の信念は知るすべがない。したがってランニングタイムの間中、ウォノ、そして観客は他の人物を信頼できるかに絶えず疑問を抱く。信頼と不信の間を行き交い、その疑問が解消に向かって一歩ずつ近づき、没頭度は高まって、劇的な面白さが一緒に高まる。

チョ・ジヌン 毒戦


これはキャラクターを完璧に理解して演じた俳優の力が大きい。特にチョ・ジヌンはすべてのキャラクターが毒のあるこの映画でも最も毒のある人物として、次第に変化しながら劇の中心をしっかりと握っている。やや散漫になった映画が全般的に安定的に流れるのは、彼の功績が半分以上である。

ここにミステリアスな男、ラクを演じたリュ・ジュンヨルも印象的である。本音を知ることができない表情は、イ先生に向けた彼の未知の執着に対する好奇心を育てる。チョ・ジヌン劇の安定感の責任を負ったとすれば、リュ・ジュンヨルは、劇のミステリアスな雰囲気の責任を負う。その他にも故キム・ジュヒョク、パク・ヘジュン、チャ・スンウォン、チン・ソヨンなどすべての俳優がそれぞれ異なる存在感を放ち、演技力の対決を繰り広げる。これだけでも『毒戦』を鑑賞する味がある。

チョ・ジヌン 毒戦


もちろん、残念なことがないわけではない。特に劇初盤の自分の過ちで子供を殺してしまったウォノの感情的な傷が、後半に架線を探すことができない点は珠に傷である。イ先生に向けた怒りにそのすべての事情が凝縮されているはずだが(実は、イ先生に向けた彼の執着も転写がはっきりしない)、もう少し力を注いでウォノの個人的苦悩を表現していればどうたったかという思いが残る。そのためか、初、中盤部分の力のある展開が、ある瞬間感情線から力が抜けてやや惜しまれる。

しかし、それにもかかわらず『毒戦』は多くの観客の愛情を受けるに値する作品であることには違いない。流麗な演出、カメラワーキングなどに比べて叙事とアクションでは野暮ったさがうかがえるが、その野暮ったさが疲労感に近づくほどではない。映画の中のすべての要素が一つになってそのまま”面白さ”のためだけに前進していき、観客の視線を握り締めて揺さぶっていた。ハリウッド映画が猛威を奮う春のボックスオフィスでの活躍も期待してみる価値はある。

ランニングタイムは2時間3分。15歳観覧可。 22日に公開。

(シングルリストの記事を翻訳しました)




[web記事]『毒戦』華麗な演出の中かすんだ可能性…”イ・ヘヨン印ノワールは?”

2018.5.16 スポーツQ

UP&DOWN

UP
-爆発的なエネルギーを作った俳優たちのシナジー
-繊細な演出と洗練された映像美

DOWN
-息が詰まるほど吹き荒れる展開による疲労度過剰
-没頭を妨害する登場人物の不足した”前史”
-15歳以上観覧可の等級と見るのが難しいグロテスクな演出



爆発的なエネルギーを約束した映画『毒戦』がベールを脱いだ。チョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、チャ・スンウォン、キム・ソンリョン、故キム・ジュヒョク、パク・ヘジュンなど、独自の俳優人生を歩んできた俳優の組み合わせで早くから映画ファンの関心を集めた作品である。

『毒戦』は、『ヨコヅナ・マドンナ』『品行ゼロ』『ARAHAN アラハン』『京城(キョンソン)学校:消えた少女たち』で自身だけの作品世界を作ってきたイ・ヘヨン監督と、『親切なクムジャさん』『渇き』『お嬢さん』で、忠武路(チュンムロ:韓国映画界)代表の劇作家として登板した作家チョン・ソギョンのコラボレーションでしっかりしたシナリオを期待させた。果たしてベールを脱いだ映画『毒戦』はどんな姿なのだろうか?

#スタートラインまで”Just 10 minutes”

チョ・ジヌン リュ・ジュンヨル 毒戦


『毒戦』は香港映画界の巨匠ジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』をリメークした作品で、アジア最大規模の幽霊麻薬組織のボス”イ先生”を捕まえるための過程を描いた犯罪アクション映画である。

映画は、劇の触媒として登場した”オ・ヨンオク”(キム・ソンリョン)が火をつけた瞬間からブレーキが故障したトラックのように速く走っていく。まるでゲームを連想させる劇の構造は強靭なキャラクターたちの絶え間ない登場でみなぎる緊張感を与える。

『毒戦』は、劇を率いる二人の主人公、刑事”ウォノ”(チョ・ジヌン)と麻薬組織員”ラク”(リュ・ジュンヨル)の出来事には注目しない。人物の出来事は徹底的に排除される。ウォノがアジア最大の麻薬組織のボス”イ先生”抱く敵意と執着の根源さえ分からない。

徹底的に事件を中心に進められる映画は急速に流れる。疑惑の爆発事故が発生して、お互いに異なる目的を持った人物が結託するまでにかかる時間はわずか”10分”である。もし映画の前の部分を逃したら、登場人物たちが”なぜ同じ船に乗ったか”が理解できないだろう。このように映画は、コンマなしで走って観客まで幻覚状態にする。


#惜しい”前史”代替したチョ・ジヌン × 故キム・ジュヒョクの演技力、しかし...

キム・ジュヒョク 毒戦


映画のメガホンをとったイ・ヘヨン監督は観客に、考える”余地”を与えるため、キャラクター叙事を果敢に省略したと明らかにした。映画をリードしていく2人の主人公チョ・ジヌンとリュ・ジュンヨルも不足した”前史”(管理人註:ここでは過去の出来事などを指すと思われます)を見せている。映画の間、”なぜ?”、”どうやって?”という疑問を投げるに十分である。

俳優たちは前史の不足を演技力で代替した。”イ先生”を捕まえるためにあらゆることを懸けた刑事ウォノ役のチョ・ジヌンは、不確かなギャンブルをした人物の危険な心理を線の太い刑事の中に描いている。それだけでなく、やや過剰になりやすい”幻覚状態”の演技を作為的ではなく表現し、劇に重みを加えた。

これとともに、制御不能の悪役”ジン・ハリム”に変身したキム・ジュヒョクの演技が注目を集めている。もちろん”薬物中毒状態”という表現も極端なキャラクターの設定はやや疑問をかもし出す。しかし、キム・ジュヒョクは劇に圧倒的な緊張感を与えることで悪役としての役割を果たした。

キャラクター活用の残念なことがあるならば、麻薬組織の唯一の生存者で劇のカギとなる”ラク”役のリュ・ジュンヨルである。無表情と沈黙で自分の感情を表現しなければならないリュ・ジュンヨルは、爆発的なエネルギーを噴き出しながら暴れるキャラクターたちの間で次第に存在感があいまいになった。

映画の中で削除されたのは、リュ・ジュンヨルの存在感だけではない。よくこのような映画がそうであるように、女性キャラクターたちは全員躍動感を失った。『毒戦』の中の女性キャラクターはただ観客の五感を刺激するために存在する。しかし、暴力的な言語や、扇情的な行為にもかかわらず、非常に平面的なキャラクターによって無感覚に感じられるばかりである。


#暴力で綴られたグロテスクな演出

リュ・ジュンヨル 毒戦


『毒戦』の中の登場人物は誰も善を行わない。刑事の主人公ウォノも、自分の目的を達成するためにならよろこんで幼い少女を危険な状況に追い込む。残酷な暴力に恐怖心を示す人物は少数に過ぎない。

麻薬に絶えず露出されている人物は道徳の境界が崩れ、人間として恐怖を喪失する。”幻覚状態”で痛みを感じるはずがないから暴力の水位は次第に高くなる。映画の中”強者”たちは、修羅の姿をしている。人間というよりは、悪魔に近い。

映画『毒戦』のジャンルは犯罪”アクション”より犯罪”暴力”に近く見える。殴り合って戦うのではなく、権力の位階を介して、片方の一方的な暴行が行われている。もちろん、権力の構図が逆転した瞬間、暴力の対象も違ってくる。

映画が最終章に突入すると、登場人物たちはまるで”誰がより残酷になれるのだろうか?”を競争するかのように、奇怪な悪事を繰り広げる。15歳以上観覧可の等級を受けたとは信じがたいグロテスクな演出で綴られた暴力性とイメージ過剰はかえって疲労度を高める。

イ・ヘヨン監督は”刺激のための刺激を止めた”と述べたが、観客も同じ考えなのかは見守りたい。

チョ・ジヌン 毒戦



イ・ヘヨン監督は『毒戦』が単純な犯罪アクション映画にとどまらず、エンディングのクレジットが終わった後も絶えずリプレイすることができる囲碁のような作品になってほしいと話した。

しかし、映画は流れによって話の価値が変わる”チェス”に似ている。これは可能性の空白を意味する。果たして『毒戦』が繊細な演出と俳優たちの演技力がイ・ヘヨン監督の望み通り観客を説得できるか、その成り行きが注目される。


(スポーツQの記事を翻訳しました)




[web記事]『毒戦』影を追う影になった悲しいノワール
2018.5.16 スターニュース

チャスンウォン 毒戦 ポスター チョ・ジヌン リュ・ジュンヨル キム・ソンリョン パク・ヘジュン キム・ジュヒョク


影を追う男。影を追う影になってしまった男性。強者たちの戦争を標榜したが、『毒戦』は悲しい影の話である。

刑事ウォノ(チョ・ジヌン)。長い間麻薬組織、イ先生一派を追った。いつも失敗した。組織の隠れたボスであるイ先生が年がいくつなのか、名前が何なのか、男か女かさえ知らない。

そんなある日、イ先生の後見人だったオ・ヨンオク(キム・ソンリョン)がウォノを探す。オ・ヨンオクは麻薬工場が爆破され、自分も消される脅威を感じて自らウォノを訪れた。オ・ヨンオクはウォノ「イ先生は悪魔です」と語る。

爆破された麻薬工場で生き残ったのは、麻薬組織員ラク(リュ・ジュンヨル)と血だらけの犬一匹。ウォノはラクを説得してイ先生を捕まえようとしている。麻薬組織内の誰もがイ先生が誰なのかを知らない。一つずつ尻尾を踏んていくだけである。連結する輪はラクだけである。

ちょうどラクは、イ先生の組織と中国の麻薬組織のボスであるジン・ハリム(キム・ジュヒョク)を繋ぐコネクターである。ジン・ハリムの顔を知ってる人もラクだけ。ウォノは自らイ先生一派の中間ボスであるドック(パク・ヘジュン)になりすましてジン・ハリムに会う。ドックの前では自分がジン・ハリムのふりをする。

塩田の上にぽつんと置かれている麻薬工場。そこで麻薬を作る話ができない兄妹と疎通できるのはラクだけ。ウォノはそこにわなを仕掛けて待っている。リストには無い組織の実力者、ブライアン(チャ・スンウォン)が訪ねてくる。本当に尻尾を踏むことが始まった。

尻尾を踏んだ。ひとつずつ踏む。最後まで。イ・ヘヨン監督は『毒戦』をそのように作った。トラップを掘り、ひとつずつ尻尾を踏む過程を描いた。日常はない。速い。希望もない。血と復讐、虚無だけである。『ヨコヅナ・マドンナ』『フェスティバル』『京城(キョンソン)学校:消えた少女たち』のイ・ヘヨン監督はない。イ・ヘヨン監督の影が感じられるのは、虚無だけである。ますます温かみが消えて虚無を取り上げ始めた彼の映画は、『毒戦』で虚無の世界に完全に入った。

『毒戦』は悪を追う悪となった、闇を見て、闇になった、そんな話ではない。つかめない虹を追う人の冒険を、捕まえることができない影を追う人の苦行に書き写した。その苦行は残酷で、狂気が立ち込めるが濃厚な虚無がしみ込んだ。

強い原色である。登場人物一人一人に、色をつけた。それぞれの色がそれぞれの人物である。灰色はない。『毒戦』の色である。休んでいる暇はない。強い色が休まずに吹き荒れる。原作の香港ノワールの灰色と悲壮感の代わりに、濃い原色と虚しさがいっぱいである。まさに韓国ノワールと言える。

原色をたくさん入れたカメラのアングルは、しばしば高く、低い。正面は距離を置いた。人物を低い角度で見つめるようにした。畏敬を盛り込むものでなければならないこの低い視線は『毒戦』では不思議に距離を置いて作られている。登場人物を影にする。

ウォノを演じたチョ・ジヌンは良い。このようなジャンルで主人公の刑事が見せがちな熱血や暴力、マッチョなにおいが少ない。影を追う虚無をそのまま描いた。ラクを務めたリュ・ジュンヨルはすごく良い。彼の出演作の中で最も目立つ。表情のない表情で空虚を描いた。

ジン・ハリムを務めたキム・ジュヒョクは『毒戦』の火である。氷のように冷たい映画に血のような熱さを加えた。彼の一生を盛り込んだフィルモグラフィーで一番異なる姿であり、一番ひどい悪役である。キム・ジュヒョクの未来に対する期待を抱かせる姿である。スクリーンに止まってしまい、そのまま永遠に残った姿が、現実と加えて映画に虚無を加える。

パク・ヘジュンとチャ・スンウォン、そしてキム・ソンリョン。俳優の異なる姿を引き出した好例として残るようである。

『毒戦』は強烈である。麻薬吸込に殺人、露出などがそのまま紹介される。なぜ青少年観覧不可の等級ではないのか、いぶかしいほどである。勧善懲悪的な話なので、より濃い虚無のためであるようだ。ついて行けば、残酷さの代わりに氷河にぽつんと立っている姿に向き合うことになる。原色は消えて、白だけが残る。

5月22日公開。15歳以上観覧可。

追伸、韓流スターイ・ミンホが、カメオではないカメオである。

(スタートゥデイの記事を翻訳しました)

*これらの記事はスタートゥデイ、シングルリスト、スポーツQのニュース記事を管理人が翻訳しました。チャ・スンウォン氏の非公式ファンサイトとして、日本のファンへの情報共有を目的に無断翻訳しております。著作権者、利害関係者からの削除要請の意思表示を受けた場合、速やかに誠意をもって応じたいと思いますのでご一報ください。

------------管理人のつぶやき------------

レビュー記事はそれぞれ異なるポイントを批評していますが、総じて好評、特にキャラクターの描写や、俳優の演技が良いと書かれていて、『毒戦』への期待が膨らみます。翻訳に苦労した部分もあり、読みづらいところ、分かりにくいところがあるかもしれません。現時点でのベストを尽くした結果ですので、広い心で読んでいただけると嬉しいです。

日本での公開はまだ決まりませんが、ニュース記事やレビュー記事を読むことで、少しずつ映画の内容について知ることができます。スンウォン氏は特別出演ということで、出演部分についてや役柄についての詳細は出ていません。しかし印象的な演技でこの『毒戦』に貢献していることが記事から伝わってきます。

マスコミ試写会を終え、レビュー記事が出たことで、『毒戦』の予告動画に、新たな「レビュー予告編」が加わりました。スンウォン氏の出演部分も入っています♪

『毒戦』レビュー予告編


<動画字幕翻訳>
チョ・ジヌン:犯人は、イ先生なのか?
キム・ソンリョン:気になるの?

完璧なストーリーと演出!
独創的犯罪劇の誕生
ヘラルドポップ イ・ミジ記者


リュ・ジュンヨル:本当にイ先生がこうしたのですか?

吹き荒れる123分!強烈なキャラクターの饗宴
シックニュース キム・ダウン記者


キム・ジュヒョク:イ先生はどこにいるんだ

俳優たちの狂った熱演!人生作品の更新!
韓経ドットコム ハン・イェジン記者


チョ・ジヌン:お前は俺の言ったとおりにしろ!
チョ・ジヌン:行動も!考えも!
リュ・ジュンヨル:私が必要でしょう




最後にもう一つ記事を。レビュー記事ではないのですが、『毒戦』関係の思わず涙した記事をご紹介します。『毒戦』を作り上げるために、多くのスタッフ、そして俳優が協力して、大いなる喪失を温かく埋め合わせました。哀しみを越えて、今、『毒戦』が走り出します。


[web記事]『毒戦』役者が蘇らせたキム・ジュヒョクの息づかい
2018.5.20 連合ニュース

キム・ジュヒョク 毒戦


韓国映画の中で上半期の最大の期待作に挙げられる『毒戦』は、昨年10月、交通事故でこの世を去った俳優キム・ジュヒョクの最後の遺作でもある。

キム・ジュヒョクは、主人公のウォノとラクに劣らず劇中で比重の大きいアジアの麻薬市場の大物ジン・ハリム役を演じ、見事な演技を披露した。

彼は世を去る前に自分が登場するシーンの撮影を全て終えた状態だった。しかし、アクションシーンの撮影に不可欠なアフレコ(post synchronization)はキム・ジュヒョクが世を去った後に行われた。

アフレコは撮影映像を見て、セリフをはじめ、息づかいの音と打撃音など、音響効果を加えることを意味する。

特に、キム・ジュヒョクが引き受けたジン・ハリムは、麻薬に酔って荒い息を吐き、ウォノと銃撃戦と格闘を繰り広げるため、アフレコが避けられない状況だったという。

制作陣は悩んだ末に同僚の役者がキム・ジュヒョクに代わって彼の息づかいを再現することにした。

数人が参加する場合、シーンごとに音色に違いが出てしまうことがあり、アフレコは1人が引き受けなければならない。このため制作陣は同僚の役者のうち、キム・ジュヒョクと最も音色が似ている俳優ソ・ヒョヌにアフレコを依頼した。

毒戦 ソ・ヒョヌ


ソ・ヒョヌは制作陣からの要請を快く受諾し、最善を尽くしてキム・ジュヒョクの息づかいを蘇らせたという。

ソ・ヒョヌは『毒戦』でウォノが率いる麻薬捜査チームの最年長であるジョンイル役を務め、最近終演したドラマ『私のおじさん』ではソン課長として出演した。

制作会社の関係者は20日、「同僚の役者が不慮の事故でこの世を去ったキム・ジュヒョクの息づかいを生かすことを見て心が温かくなる感じを受けた。監督と役者、制作スタッフがすべて同じチームとして大きな力を得たようだ」と話した。

『毒戦』はアジア最大の幽霊麻薬組織のボス”イ先生”を捕まえるために繰り広げられる暗闘と追撃を描いた犯罪アクション映画で、来たる22日に公開される。

(連合ニュースの記事を翻訳しました)

*この記事は連合ニュースのニュース記事を管理人が翻訳しました。チャ・スンウォン氏の非公式ファンサイトとして、日本のファンへの情報共有を目的に無断翻訳しております。著作権者、利害関係者からの削除要請の意思表示を受けた場合、速やかに誠意をもって応じたいと思いますのでご一報ください。

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